建物に物語を

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「大手町の森」の物語

オフィスビルの立ち並ぶ大手町に突然現れた「大手町の森」。
大手町タワーの隣に静かに佇む森ですが、都会の真ん中に森を創ったその背景には、たくさんの人々の想いやこれまでにない新しい試みがかくされています。
大手町の森にかくされた様々なお話しをご紹介します。

オフィス街に森、という真逆の発想
オフィス街に森、という真逆の発想
「風の道」をつくる森のちから
「風の道」をつくる森のちから
3年の歳月をかけた森のテスト
3年の歳月をかけた森のテスト
早見あかりの森紹介
早見あかりの森紹介
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負け木があるからこそ美しい
負け木があるからこそ美しい
野鳥たちが遊びにやってくる楽園へ
野鳥たちが遊びにやってくる楽園へ
カタクリの咲く、この土地にふさわしい姿
カタクリの咲く、この土地にふさわしい姿
できる限り放っておく
できる限り放っておく
春にはヤマザクラ、秋にはイロハモミジ
春にはヤマザクラ、秋にはイロハモミジ
土の起伏がつくる光と影のリズム
土の起伏がつくる光と影のリズム
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オフィス街に森、という真逆の発想

1日に30万人を超える人々が利用する大手町。日本経済の中心とも言えるビジネス拠点に貢献する建物とは何か、都市を再生しながら心地よく過ごせる環境とは何かについて何度も議論を重ね、最終的にたどり着いたのが、ビルが立ち並ぶ都市の真ん中に「豊かな自然を再生する」という答えです。

大手町タワーの大きな窓の向こうに「大手町の森」を望むことができる。地下2階まで届く自然光によって、地下の閉鎖的なイメージを一新。
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「風の道」をつくる森のちから

私たちがオフィス街に森をつくった理由が、もう1つあります。それは、ヒートアイランド現象を緩和すること。アスファルトに覆われた大手町に約3,600m²にも及ぶ土壌面を作り出すことによって、都市型水害の抑制に寄与したり、海からの風を導く「風の道」を確保することで気温の低いクールスポットを形成します。森をつくることによって、平均1.7℃の気温の低下につながっています。

まとまった緑地が風の道を生み、地表の温度を下げる。
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3年の歳月をかけた森のテスト

オフィス街に自然の姿に近い生き生きとした森を再現するために、竣工の3年前に樹木を選び、千葉県の「君津グリーンセンター」に地下躯体と同等のコンクリートを打ち、大手町の森の一部を先行して創出し、生育状況の確認や管理方法の検討を行う「プレフォレスト」に取り組みました。原寸大の、実物の森を作って、時間と手間をかけて検証することで日本を代表するオフィス街に豊かで健やかな森を再現しています。

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<大手町タワー/大手町の森>
住所

東京都千代田区大手町1丁目5番5号

地下鉄

東京メトロ 東西線・丸ノ内線・千代田線・半蔵門線、都営三田線「大手町駅」直結 東西線中央改札前

駐車場

利用時間/6:00〜24:30
料金/30分300円、以降30分毎300円、12時間最大料金2,700円
※利用時間外(24:30〜6:00)は入出庫できません。

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負け木があるからこそ美しい

私たちがたくさんの森を研究して気づいたことは、自然界には生存競争があるということ。同じ年齢の木でも、陽の光を存分に浴びて伸び伸びと枝を広げて成長する木もあれば、小さな光を求めて細い幹をくねらせながら成長する「負け木」もあります。このように形の良し悪しだけではなく、樹木同士の生存競争をも再現することで、森本来の自然の美しさを創り出しています。

【異齢】大きな木だけでなく、生長競争に負けた細い「負け木」なども加え、自然の森を再現。
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野鳥たちが遊びにやってくる楽園へ

私たちがこの森に描いたビジョンは、鳥や虫が遊びにくる場所にすること。2014年に行った調査では、豊かな生態系を育む皇居から蝶やトンボが飛んでくることや、キビタキなどの渡り鳥が立ち寄ることが分かっています。
鳥や虫が運んできた実生の種が芽吹き、100種類だった植物が300種類に増えていることも確認されています。オフィスで働く人々にとっても、森で暮らす生き物にとっても心地いい場所を生み出しています。

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カタクリの咲く、この土地にふさわしい姿

大手町の森は、郷土色の豊かな自然の姿にこだわっています。この地域は、皇居や芝公園で見られるアカガシをはじめ、イヌシデ、アカシデ、クヌギ、ヤマザクラなどが自生するエリア。
遺伝子のかく乱を防ぎ地域に根づいた森にするため、大手町の気候や地形を調べ上げてこの土地にふわしい約200本の樹木を関東近郊の山から集めました。都内であまり見かけなくなったカタクリやニリンソウなどの草花も見られます。

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できる限り放っておく

必要以上に人の手を加えない ―――
これは、より自然に近い森を育むために私たちが心がけているルールです。木のかたちを整えるために枝を落としたり、刈り込んだりする剪定は基本的に行わない。他の植物に影響を与える外来種は抜きますが、鳥や虫が運んできた植物はそのまま受け入れる。これまでの都市の緑化と一線を画す、野性味あふれる自然の姿を大切にしています。

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春にはヤマザクラ、秋にはイロハモミジ

新緑が芽吹く春、木陰をつくり人々のオアシスとなる夏、葉が色づき落ち葉となる秋、そして木枯らしの吹く寒い冬を乗り越えて再び春がやってくる。
都会の真ん中で四季をめぐらせ、豊かな自然を育むために様々な工夫をしています。例えば、ビルの周辺に落ちた枯れ葉を集めることも、その1つ。役目を終えた枯れ葉は捨てずに森の土に還しています。

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土の起伏がつくる光と影のリズム

大手町の森では、5~15本の木々のまとまりをユニットと呼んでいます。このユニットは、樹齢の異なる木々、常緑樹・落葉樹・地被類など多様な種類を組み合わせて構成しています。
また、穏やかな起伏を持たせた土に様々な間隔で木々を植えることで日向と日影、乾湿などの環境の変化を生み出しています。木々と木々の間隔が一定ではなく、ランダムだからこそ、多様な草花が育ち森の景観に深みを与えています。

大手町の森では90~160センチの土厚を確保。穏やかな起伏をつくることで光と影のコントラストを織りなし、多様な植物の育成を促している 。