Project Gallery vol.2Brillia Tower 池袋

ー街づくり視点の住まいづくりー

日本初の区本庁舎一体超高層マンション

Brillia Tower 池袋 概要

池袋のイメージを新たにする、ランドマークタワー──それが日本初の区本庁舎・高層集合住宅一体型再開発プロジェクト、『Brillia Tower池袋』です。最大の特長は、1~10階に豊島区役所、商業施設、オフィスを、そして11~49階に住宅を配した立体都市であること。もともと密集住宅地だった開発地における100人を超える権利者の方々と、豊島区の再開発への想いが一つとなり、いまだかつてない官民協業プロジェクト、『Brillia Tower池袋』が誕生しました。

「大きな樹木」をイメージした、高いデザイン性と環境性能

新国立競技場の設計でも知られる世界的建築家・隈研吾氏がデザインを監修。自然光や緑をモチーフに取り入れた高いデザイン性を実現するとともに、建物周囲には環境負荷を軽減する「エコ・ヴェール」を配置。さらに、中・低層部には地域の生態系を学べる「豊島の森」「豊島エコミューゼ」が整備されるなど、環境にも大きく配慮した造りとなっています。

『Brillia』の名前にこめた「洗練と安心」への揺るぎない自信

『Brillia』のブランドコンセプトである「洗練と安心」を高いレベルで実現した『Brillia Tower池袋』。デザイン性に優れているのはもちろんのこと、防災面においても「官庁施設の総合耐震計画基準」でもっとも高い性能を示すⅠ類を満たす建物構造を採用。災害時にも非常用発電機が72時間使用できるなど、万全の安全性と安心を提供しています。

担当者インタビュー

プロジェクト開発部
再開発・建替グループ長井 芳行

「この街をよくしたい」──その想いをかたちにする

ー本プロジェクトを担当することになった経緯を教えてください

『Brillia Tower池袋』が建つ土地は、廃校となった小学校の跡地周辺に住宅や雑居ビルが立ち並ぶ場所でした。2003年あたりから地域の方々のあいだで「この街をよくするために再開発をしたい」という気運が高まりつつある中、豊島区としては小学校の跡地を有効活用して老朽化・分散化した本庁舎を新しくつくり直したいという想いがあり、コンサルティング会社や事業協力者と再開発事業を進めていました。その後、住宅と本庁舎を一体化した建物を計画するなかで、必要なノウハウ──マーケティングから商品企画、品質管理、販売、広告・プロモーション、管理運営まで──を持つデベロッパーとして当社がパートナーに選ばれ、主に住宅部門のプロデュースを担当させていただくことになりました。

ープロジェクトを推進するにあたり、どのような想いを持っていましたか?

まず私たちが考えたのは、「池袋のイメージを刷新したい」ということでした。池袋という街はこれまで、「商業の街、ビジネスの街」という印象が強く、「住む」ことに対するイメージが弱かったのが実情でした。
でも、住んでみると非常に利便性が高いし、静かな公園もある。そこで、従来の魅力はきちんと伝えつつ、ファミリー層やシニア層など多世代の方々に住んでいたたける良質な住宅をつくることで、池袋のイメージを新たにする起点にしたいと考えたのです。
また、今回は本庁舎と住宅を一体化させるという日本初のプロジェクト。前例がないのですから、正解もないわけです。そうした状況のなかで、東京建物グループ内の開発・販売・管理の様々な分野のプロフェッショナルたちが会社を横断して集結し、今までの経験や培ったノウハウを最大限に活用し、試行錯誤を重ねました。様々な困難がありましたが、東京建物グループ一丸で乗り越えられたのは、メンバー全員が「この物件で池袋を活性化したい。お客様の期待に応えたい。」という強い想いを共有していたからに他なりません。

あくなき質の追究が、信頼を生み出す

ーさまざまなステークホルダーの調整役として、大切にしていたことは何ですか?

「信頼されること」を何より大切にしていました。東京建物グループとしての信用、「Brillia」というブランドの価値、そして「この街をもっとよくしていきたい」という熱意……。これらがなくして本プロジェクトの成功はなかったと、いま改めて思います。
というのも、再開発は5年、10年と続いていくもので、当然ながら、権利者の方々とのおつきあいも長くなります。そこで私たちを「パートナーとして一緒にやっていきたい」と思っていただけるかどうかは、実は非常に重要な要素となるのです。本プロジェクトを推進する中でも、「東京建物さんなら大丈夫と思った」とお言葉をいただき、とても安堵した記憶があります。
私たちが何より大切にしていることは、「質の追究」です。たとえば『Brillia Tower池袋』においては、デザインの部分で著名な建築家の隈研吾さん、設計事務所と協業する一方、免震や防災機能など目に見えない部分についても社内基準にもとづく品質管理を行いました。ブランドコンセプトである「洗練と安心」は、こうした複眼的な「質の追究」に支えられているのです。

ー本プロジェクトに対するお客様の評価は、どのようなものでしたか?

「質の追究」にかけた私たちの想いは、『Brillia Tower 池袋』という物件名にも込められています。実は当時、池袋は「住みたい街ランキング」でトップ10圏外という地区。周辺地域で「池袋」という地名を冠したマンションはあまりありませんでした。しかし私たちは、最高の品質を目指したこの物件の名称には当社のブランド『Brillia』を冠するべきであり、そこに『池袋』という地名を付けることで街の魅力を再発見してもらいたいと考えました。結果的に、分譲開始からわずか7週間で全戸契約完売し、池袋の「住みたい街ランキング」は翌年3位に浮上しました。ランキングにどれほど貢献できたかはわかりませんが(笑)、多少なりとも貢献できたのではと自負しています。

進取の精神を忘れず、目指すは「次も選ばれる東京建物」

ー本プロジェクトで得たこと、現在の業務につながっていることはありますか?

私たちの仕事は、建物を建てたらそれで終わりというわけではありません。「できてよかった」と、住む人からも地域の人たちから思われるものを提供していく責任があります。そのため当社では、開発と販売と管理、これらを一貫して行っていく体制を整えています。
目指すは「次も選ばれる東京建物」です。たとえばご友人を招いたとき、「『Brillia』っていいよね」と思っていただけるものを提供していきたいですね。住んでいる方に喜んでいただけるのはもちろん、東京建物への信頼の輪も広がりますから。そのためには、日々の作業すべてにおいて「お客様視点」を、忘れてはいけないと自分に言い聞かせています。
もうひとつ心がけているのが、「新しいことへの挑戦」です。東京建物というと「老舗」というパブリックイメージがあるかもしれませんが、質を追究するためには、新しいことへの挑戦が欠かせません。実際、この『Brillia Tower 池袋』のほかにも、日本最大のマンション建替プロジェクトであるBrillia多摩ニュータウンなど「日本初」「日本最大」のプロジェクトを手掛けることも多いんですよ。
この「お客様視点」と「新しいことへの挑戦」という2つのテーマは、実は創業者・安田善次郎の「お客様第一、そして進取の精神を胸に」という言葉とまったく同じなんですね。自分の中にも東京建物のDNAが受け継がれているのだなと、いま改めて感じています。